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協会について
OUTLINE

会長挨拶

 

区切りとなる平成30年

吉岡会長

  来年の5月には今上天皇御退位により、新しい元号となります。今年度は、平成最後の年となります。振返ってみると、昭和の時代のITは、メインフレームと呼ばれた大型コンピュータの時代で、一部の人が特殊な技術者として開発に携わっており、システムエンジニア・プログラマーと言っても一般の人には通じない時代でした。平成に変わり、パソコンが普及するとともにインターネットの時代になり、世界中の情報が繋がるようになりました。さらに、携帯・スマートフォンが普及し、どこでも誰でも簡単に世界中のコンピュータネットワークを利用できるようになりました。コンピュータネットワーク上のブログやネット通販、チケットの予約・決済など、日常生活に溶け込んできています。システムとシステムが繋がり、さらに便利な仕組みに進化していきました。昭和の時代には、表計算ソフトはIT技術者のものでした。平成では誰もがExcelを使いこなすようになり、マクロを組むことも一般の人ができるようになりました。平成の時代は、情報産業を大きく発展させてくれました。

 これからは、AI・IoT(ビックデータ)が次の社会を変えるとよく言われます。近未来を予測して無駄をなくし、さらに便利な社会がやってくる、それはITが実現してくれるとみなさん信じています。犯罪がいつどこで発生する確率が高いか、タクシーの乗車客が多いのは、日付と時間帯でどの場所か、マシンの振動情報で故障の予測や部品の特定など、多くのデータから一定の法則を見出してITが予測してくれる社会です。しかし、そのシステムは特定の業務に精通した人だけが創ることができるのです。システム開発を通して業務を知り尽くしたシステムエンジニアにしか出来ない技術だと思います。業務に精通し、システム利用の現場に近い所で仕事をしているSEが、利用者の気持ちになり、創造力を発揮して、高度なシステムを構築していくこと。そのためにデザイナーやデータサイエンティストの技術を身に着けていくことが重要だと思います。

 システム開発はエンジニアリングだと言われます。工場で品質の良いものを作ると同じように、良い品質のシステムを作るには人材育成・技術・開発方法が重要となると考えられています。しかし、先端で技術を引っ張るのも、大きなプロジェクトを成功させるのも、人です。この情報産業は人の力に依存することが非常に高い産業です。この傾向は、昭和・平成・そして次も変わらないでしょう。だからこそ、大きく発展する可能性が高いのです。新しい時代にも、AI・IoT(ビッグデータ)の技術を取り入れ、情報産業が地域の産業の中心となり、会員各社の発展がなされると期待するものです。


                                                             一般社団法人 島根県情報産業協会
                                                                     会長 吉岡 宏