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事業内容

過去の事業

しまね情報化フォーラム'98開催

パネルディスカッション

(井原) 今のインターシップは私どもの企業でも、やらしていただいてまして是非積極的に協力さしていただきたいと思っております。それからちょっとそのことなんですけど、先程ソフィアアンティポリスの話しが出まして私もこの地には行ったことがございまして、ニースとか、コートダジュールとか、ほんと素晴らしいところだなあと思っております。それから、ノースカロライナのローリーというところに、あれは今から3年前ですか、知事さんがいらっしゃって、その時私も同行させていただきまして、両方とも非常にいわゆるクオリティオブライフのある地域だなあという印象をもってまして、そのノースカロライナのローリーというところは、アメリカでも2番目だったかと思うんですけど、企業立地が全米の中から、いい場所だというふうに嘱望されているそういうところだったんですけども、松江もある意味ではそういうところはあるというふうに、私も認識しておりまして、私どもの会社の関係者で、シリコンバレー等々で大学の先生で企業の社長をやっておられる訳ですけども、当社の職員が常駐したりなんかすることがあるんですけども、そういう方が松江に来られるとこんな素晴らしいところはないという、湖をいただいて、緑が多くて、こういうところに是非研究所を持っていきたいなあという話しがありまして、そういう意味でのインフラは非常にあるというふうに思ってます。ただ残念ながら、くりかえしていいますと雇用の場所がないところではないかなあと思っています。ちょっと話しがずれたかもしれませんが。

(須藤) いいえとても大切な点だと思います。私もローリーというべきかラーレーというべきか、どっちでもいいのか発音はどちらでもいいようですけども、リサーチトライアングルといいまして江崎先生いらっしゃったIBMのもっとも大きな研究所群があるところです。ソフトウエア開発のIBMのセンターになっています。これが核になって今やいろいろな会社が入って、今やバイオテクノロジー、テクノロジーではグラックスの研究所なんかあります。その前をカメラを持って入りますとカメラ写さなくてもですね、「ちょっとまって」と「カメラを出せ」と「お前写したろう」「写してない」と言っても「いやカメラを持って歩くな」と「この前を歩くところは、カメラをあずかる」と僕は言われたことがありますけども、やっぱりバイオテクノロジーというのは産業スパイすごいんだなあと思いました。それはともかくリサーチトライアングルと申しまして、ノースキャロライナ州立大学、ノースキャロライナ大学、それからデューク大学、デューク大学というのは全米でガンの研究では有数の研究のセンターになっているんですが、この3つの大学の間にリサーチセンターができてるんですね。シリコンバレーと並ぶといわれてる研究開発能力を持った地域です。人口規模はだけど15万位で、ちょうど松江ぐらいなんですよね。で、立地を見ても緯度でみると丁度静岡県位なんですけども、静岡に植物の植生は似ているなあと思ったんですけども、でも松江とくらべると松江のほうが、まだいいなあという感じですね。あとは情報インフラを整えてやれば、そのラーレーというのは全米でナレッジワーカー、ようするに知識労働者の最も住みよい地域というので第1位なんですよね。人気投票で。松江もなれる条件は徐々に整いつつあるなというふうに思うしだいです。そこで知事どうでしょうか。あの今のソフトビジネスパークをふまえて、この島根の活性化 に向けた展望をちょっとお伺いしたいんですけども。

(澄田) 今、江崎先生それから須藤先生からも松江を非常にほめる発言をいただき、私もうれしく思っています。が、確かに今度できるソフトビジネスパークというのは、この伝統ある歴史あるですね、国際文化観光都市松江のしかも島大の北側に位置しですね、あそこに立って見ますと、私もあそこを決める場合にヘリコプターにのってね、ズーッと上空を見ましていくつかの候補地の中から、あそこを選んだわけでありますが、まさに眼下に宍道湖を眺め、しかも松江の市街地、県庁をはじめですね、松江の市街地10分か、せいぜい15分、もっと短いですかね、で行ける、しかも空港は出雲空港が40~50分、米子空港が40~50分、空港を2つかかえてる。で松江の駅がすぐ近くにある。JRも走っている。いまや高速道路もですね、米子から岡山を越えて高松に至る高速道路ができている。しかも、大阪方面へも中国縦貫を使っていける。やがて松江~尾道線が今、着々と建設中であります。山陰自動車道も今、安来道路松江道路とできあがって西へ西へと延びていく。おそらくそういう交通インフラという点においてもですねえ、これからも非常に魅力ある場所になるんじゃないかと。そこに先程おっしゃるように情報インフラのキチンとした整備をしていけばですね、これはもう全国どこへ出しても競争可能なような条件は整うように思っています。
 そこで一体ここを使ってですね、何を目指すのかということでありますけれども私は島根の未来、あるいは日本、世界の未来に対して何らかの貢献していくことができたらというぐあいに考えております。そういう意味では、やはり基本理念としては人と自然が共生した21世紀型のハイクオリティライフの実現、さきほど江崎先生それから、井原会長もおっしゃいましたけれども、そういうものをテーマにいたしまして具体的には、地球にやさしい環境中央型社会の実現と、それから健康でゆとりある生活の実現を設定するということを考えております。本年度、私共県としてですね、科学技術振興指針というものを策定する予定にしておりますけども、その中でも、このような事柄を位置付けまして県の各試験研究機関同士の連携を計りながら、2人のテーマに取り組んでいきたいと思っております。そういう考え方でですね、これから取り組んでいく。しかもまた、それを情報発信を全国にやっていくことによってですね、ここへ立地していただく企業それの魅力も増すし、またそうした中から新しい産業、江崎先生がおっしゃった分野ということをおっしゃったけれども、新しい分野に挑むですね、新しい産業がおこり、また既存の産業の中からもそうした新しいものが生まれるということによってですね。私共が願っております。今の定住の促進、あるいはそうした地域社会の実現も、おそらく夢ではないというぐあいに思っております。

(須藤) どうもありがとうございます。着々と県も、非常に計画的にしかもアグレッシブに事業を関係づけて展開されつつある。そして、北川学長の姿勢も重要だったと思います。県と大学の関係が僕の子供の頃にくらべますと、かなりいい関係になりつつあるのかなあという感じがしております。北川学長そこで島根大学をどうするということをもう一度強調していただきたいんですけども。この島根県にとってどういう存在であるのかということについて、強調していただきたいと思います。

(北川) 今、知事さんが言われたように非常に長いんです。澄田さんも私もね。そういう意味では情報も交換もして、この問題についても土地をうまく活用しようというのはもちろん、これから考えていかないといけなんですけれども、先程の土地の魅力かね、これは。私は生まれが土佐の高知でして、40年、こちらに来て40何年ですよ。今までここへ住みついてしまいまして、もうここから動く気はなくなってしまったんですが、やっぱりここが住んでいい気持ちいいということですね。ですからこれは非常に大切なことで、私はこれからはもうひとつは、もちろんそういった高度な技術産業の高度化ということも、もちろんやっていかないといけませんが同時に、大学街といったら変だけど、大学と街がまさにこれが融合した、僕はいつも思うんですが、アメリカなんかにあると思うんですが、ヨーロッパあたりのハイデルベルグくらいな、そんな感じするでしょう。あそこも15万か20万でしょう人口。けっして大都会ではできないんです。かえってねえ15万、20万という、というのは大学から、ちょっと一杯やりに出ようかといったら歩いて出てこれますから、よっぱらって今日は車がなくたって歩いて帰れるんですよ。誰かが「おーい」と言えば、だいたいほとんど届くような範囲、これはねえ人間工学からいうとおそらくまあ、どこで何してるか東京なんかおそらくとても見えないでしょう。何が起きているか向こうのほうはね。その点ではだいたいこういう人間の感性というか頭の中で考えられる範囲、そして見える範囲という感じがあります。
 今、私の所、島根大学も今5,300人を越えているんですが、東京大学とか筑波はもうこれは話になりませんので計算はできないんですが、それでも3,000人位のときからですね、この何年かのうちに5,300、その学生が1人10万円ずつ使っているとしてもね、だいたい6億弱ですね、60億余りのその年間消費落ちているんですね。教官入れますと、だいたいそれの倍以上ですから150億が地元の消費、それに大学の予算とか入れますと200億が大学があるだけでですよ。あとはまあ今言ったいろいろな研究その他が付加価値を高めていく訳ですが、そういう消費が持っている力がひとつあるんですけども、どうも大学の近くだけになっているんです。もっともこの他の場に出てこないとね、そしてそこの中で若者が、うろうろしているということ事態にその街の活力が出てくる訳ですから、そういう意味では先程も言いました猥雑さというのが誠にいいことです。赤ちょうちんがあったりしてないと。その点筑波はどうですかね。少しきれいすぎじゃないですか、こうすかっと、そうでもないですかねえ。そういう点で大学が移転しているところあるでしょ。例えば広島なんか東広島いっていますが、あのああいうふうに街から離れた広大なところにいきますとねえ、先程、話があった猥雑さがないですね。やっぱり街の中でいろんなことをしてちょっとね、悪いこともいろいろしながら、そこでいろんなこと覚えて育っていく学生時代、ああいう街づくりを、私共、考えてそういう高度な知的なもの、同時に生活の臭いがする街というようなものと、ミックスするようなそういうこう街になったらなあと思います。大学はこれから大学街づくりということを、少し考えていきたいなあと。
 それからもうひとつ大事なのは先程申し上げたように地場産業の芽を、どうしてもわれわれ気になるんで地場産業に新しいその技術というものを付加していくといいますか、そうすると全く別の産業に育っていく。小松さんがあそこにおられますが、小松産業なんかは、そういう意味ではどうして思いついたか、ああいう島根にあって世界に発信をするような産業を育てておる訳ですから、そういう意味では見渡しますと、あの地域にあって光っているものがある訳ですね、そういうのをやっぱりどんどん協力しながらレベルアップしていくこと。地域全体としてのそういう研究開発型の企業が走っていることを期待し、努力したいと思います。

(須藤) どうもありがとうございます。それではもう時間が来ておりますが、最後に江崎先生からひとこと。実はですね、パネルディスカッション講演と地元とのケーブルテレビ会社で生中継で市内には放送されております。それから後日、これを全県に中継録画することになっておりますので、まあ録画を流すことになっております。県民に向かって江崎先生からクリエイティビティが大事である、それからサイエンスもっとがんばれとか、そういう何か励ましの言葉をいただければと思いますが、宜しくお願いします。

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