1. ホーム
  2. 事業内容
  3. 過去の事業
  4. GIGA BIT ギガビットセミナー開催
  5. 第1部 講演とデモンストレーション

事業内容

過去の事業

GIGA BIT ギガビットセミナー開催

第1部 講演とデモンストレーション
【テーマ】 ギガビットと電子商取引の展望
【講師】 経済学博士 須藤修(東京大学教授:社会情報研究所)
電子商取引発展のための環境整備
写真

 市場の評価とは別のシステム、要するに金にかえられない活動を金と同じような機能をもったクーポンで評価してやる。それによって地域の活動を評価する、単なる無償のボランティアに終わらないようにする、という構造を作ってもいいのではないか、ということを提案したいと思います。これはどの地域でも取り組むことが可能です。ただし、かなり厄介な問題がありますので、色々な工夫が必要です。それは横須賀がかなり苦しんでいるところでもありますので、そこらへんの取り組みを参考にしていただきたいし、カナダのバンクーバーやサンフランシスコの取り組みなども参考にしていただきたいと思います。もちろん私ももう10数年このモデルについては考えております。
 本当はこれについていっぱい正確に言わなくてはいけないのですが、今言ったような大規模な変動が待ち構えておりますので、そのための条件作りが今、国際会議で行われております。重要なのは取り引きにおける消費者保護、それからセキュリティーの確保と暗号政策、個人情報…電子マネーを発行する企業の資格要件についてお話しとかなくてはなりません。消費者保護の問題については通産省の方が結構がんばってやっておられまして、通産省の方にも言っているのですが、消費者保護の枠組みとしてはまず法整備が必要である、法律に基づく法的機関による監督が必要である。
 ただし、あまりこれを強くすると窒息するので基本的には業界の自主ガイドラインを重視するということです。これはモラルハザード、要するに業界に都合のいいように作られやすいので、NPO、信頼できる非営利第三者機関によるナビゲーション及び評価、それから苦情処理をするようにしなければなりません。それから何かの紛争、事故が起きた場合の損害賠償及び刑事訴訟ができるような司法における整備が必要である、ということをいいます。そんなことをいうのは大体判事です。先生のおっしゃることはもっともで、だから真似るんだけれどもそう上手くは動きません、ということをおっしゃって、このためには司法制度の改革が必要であります。もうすでに弁護士である方々ですね。これは国際司法関係で活躍なさる弁護士の方からEメールがきて、是非この分野で活躍したいとのことでした。若い弁護士になる方々の意気込みが感じられてうれしく思った次第です。
 それからセキュリティーの問題では…用件整備が今後必要という、日本政府もおそらく回答を出してくる。もちろん議会を通さないといけないということになると、もうちょっと時間がかかるとは思います。すでにドイツのマルチメディア法で…イーコムの図表なんですけれども、実はこのイーコムワーキングルート8っていうのは私が顧問をやっているところのワーキンググループなんですけれども、主査は美術の方が…イーコム、電子商取引実証推進協議会の報告書を読んでいただければと思います。…建設キャルスは建設キャルスで独自に認証局をたちあげます。ところが建設省から出てくる補助金は、建設省の認証ルートだけで地方自治体がその補助金を使えるということにならない可能性がでてくる。例えば、半分は建設省から補助金がくるけれども半分は実質財源でやりなさいという場合、自治省が財源がその自治体にない場合に地方債の記載を認めるということは自治省からOKがでる、その文章のやりとりがあります。
 ということは、僕が委員長をさせていただいている総合行政情報ネットワークの認証局を通って実質システムも開発していただきたいということで、建設省には私の方から…霞ヶ関のネットワークがあるんですが、これはもうプロテクトがきつい、認証局が複合通信を行っておりますので外部から進入できませんが、唯一進入できるルートがこの自治省が提案している総合行政ネットワークであります。これを使って、3,300の自治体は入っていただくことになります。今度は認証が必要なんですが、それと建設省あるいは郵政省は郵政省のネットワークがあってそこで地方の年鑑なんかのネットワークがあるわけですから、これはまた別のネットワークができるわけです。で、認証局なんかがたちあげられるわけです。それとの交渉とかがあるわけですが…技術、システムの使用をしていただきたい、それから暗号も使用していただきたい、ファイヤーオールの作り方も工夫していただきたい、いろいろなことがあります。
 これについては今年の春、自治省の方からCD-ROMで我々に対して報告が出ています。自治省の情報制作室に行っていただければ在庫があると思いますので、是非参考にしていただければと思います。我が国の報告書の中で技術的なレベルでいうと、かなりレベルの高いものを作ったと我々は自負しております。そしてこれのシステムが行政のシステムとして動く可能性が非常に強いということも申し上げておきます。民間レベルで重要なのは個人情報であります。これについて申し上げておきますと、OECDは個人情報保護8原則を1980年に提出いたしまして、これに基づいて我が国の行政のほとんどの地方自治体は個人情報保護条例を持っているわけです。ところが民間については何も持っていません。
 EUはどうかといいますと、EU加盟諸国は包括的なプライバシー保護の法制化を行っておりまして、民間の企業が持っている個人情報、それから企業の持っている、あるいは行政の持っている個人情報すべてを一括的に法整備して、これに違反すると刑事罰が与えられることになっております。違反する国とはデータの交換を一切禁止するという条文もあります。昨年の10月にEU本部に行って担当官の方々と話して日本はどういう位置付けにあるかと聞いたら…このままではEUはヨーロッパとデータ交換ができなくなるでしょう。もし日本のサイトにオランダ人がアクセスして、オランダ人がその個人情報を流用されて被害にあった場合は、オランダで刑事訴訟及び民事訴訟を起こすと同時に、オランダ政府はオランダ人の情報を日本に渡してはならないという条文を適用すると同時に、EU加盟諸国はEU加盟諸国でもそういう被害にあったならばEU加盟諸国すべての情報を日本に渡らないようにする。ただしこれは運用でダンヨウ性を持たせているので、早急に我々の要求する水準に近づくように努力する。待っている。ただし、その努力が見られない場合は我々はこれを適用するといっています。
 そこで今度はサミットあたりの重要な問題になるだろうと思います。そこでその個人情報の利用なんですけれども、マンツーマンマーケットというのは個人情報を利用しないとどうにもなりません。
 ただ、個人情報をマスコミでは一絡みにして議論されているんですけれどもわけなければならないのです。で、ハイリーセンシティブ情報、センシティブ情報、基礎情報です。ハイリーセンシティブ情報とは医療情報、個人のオフの医療情報、事故歴とか…機密性のある情報。センシティブ情報とは資産・負債・財産・消費動向をいいます。それから基礎情報は…大蔵省の委員会で申し上げたのはハイリーセンシティブ情報の商業利用は認めるべきである、もしこれを認めたら…一方、アメリカ政府が言うようにこれを認めなければインターネットのビジネスは動かない。したがって資産・負債・財産・消費動向などを…マンツーマンマーケットに利用することは促進すべきである。ただし不正な情報の流出、流入を行っている企業については適切な刑事罰を与えなくてはならない、と私はその場で言っている。大蔵省の…ハイリーセンシティブ情報というのは行政がかなり持っているんですよ。これを民間に使わせてはならないということは確かでしょう。
ただし、センシティブ情報、民間が集めているセンシティブ情報、これは信用機関はほとんどが集めているとは思いますけれども、これは自由にデータ加工してよい。ただし行政が持っているセンシティブ情報の民間利用はさせてはならないだろうということはいえると思います。問題は基礎情報、これも企業が持っている基礎情報はもちろん利用可能ですけれども、行政が持っている基礎情報を民間に利用させるかどうかが今後の焦点になると思います。というのは、民間は国民全体の基礎情報を掌握していません。インターネットは非対面取引ですので、なりすましがありえます。したがってデータベースをもちこしていないと本当にこの須藤かどうかはわかりません。その時の基礎資料を政府が与えるかどうかが重要になります。おそらくアメリカは認めるでしょう。日本はどうかわかりません。イタリアは認めるでしょう。フランスはわかりません。ドイツはわかりません。スウェーデンは認めるでしょう。
 各国さまざまな対応が考えられますが、電子商取引、安全な取引が行える環境を整備するためここらへんが一連の議論の焦点、国際会議…その場合、企業はおそらくマンツーマンマーケットにするために個人情報を集めますが、誤った情報に基づいて僕の勝手なイメージを作り上げている可能性があります。したがって、僕は日経のオンライン世界情報通信サミットの会議でも申し上げた、それは日経の紙面でも僕の発言が紹介されましたけれども、個人が、例えば松下電器が僕の情報をどのように加工してデータとして持っているか、私自身が、私だけが確認する権利を有するということは制度的に認めるようにして欲しい。…でもそれは大体ほとんどの人がその通りだと思って意見を言っているのではないかと思います。アメリカ政府もそれを認めようといっています。ドイツはそれを必要不可欠だといっています。それによって間違った情報は直してくれ、という権利を個人は有するという形が今度のサミットではまとまると思います。技術はかなり進んでいますが、まだ制度的にきっちり固めないといけない作業が残っています。おそらくその作業はこの2~3年で決着がつくと思います。…もちろん残るとは思いますけれども、その時に電子商取引は爆発すると思います。で、アメリカ政府は…そしてビジネスのあり方、社会のあり方が大きく変わるのがこの数年のことなのです。

ページ  |  |  |  |  |  |  |